601(KR250/KR350) kawasaki
6 1981年
(1) 世界GP
バリントンは500tクラスに専念することになり、250/350ccクラスから姿を消した。マングはカワサキの支援が復活し、マシンのカラーリングもライムグリーンに戻った。
カワサキフランス関係のバルデ、ギニャボディは1980年と同じ。
ピエールルイジ・コンフォルティ(イタリア)が250tクラスに数戦出場、エディー・ローソンが250tクラスに3戦のみ出場、フェルナンド・セルデラ(アルゼンチン)がアルゼンチンGP350tに出場した。
グレーム・マグレガー(オーストラリア)はヤマハ、アームストロングに数戦乗ったが、イギリスGPのみKR250で出場した。
○戦績
250cc
| Arg | D | I | F | E | N | B | SM | GB | Fin | S | CZ | 得点(順位) | |
| マング | 14 | 1 | 3 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 160(1) |
| バルデ | 1 | 9 | 6 | 4 | 2 | 6 | 3 | 3 | 7 | 2 | 3 | 9 | 95(2) |
| ギニャボデ | 12 | 13 | 10 | 14 | 5 | 7 | 14 | 12 | 8 | 3 | 4 | 7 | 36(6) |
| マグレガー | 10※ | R※ | 11※ | R | 3 | 11(8) | |||||||
| コンフォルティ | R | R | 4 | 8(21) | |||||||||
| ステリンガー | 7 | 8 | 7(22) | ||||||||||
| ローソン | R | R | R | - | |||||||||
| アルベラ | R | R | - |
※マシンはヤマハ、ベルギー(リタイア)のマシンはアームストロング(ロータックスのタンデム2気筒・ロータリーディスクバルブエンジン搭載)に乗った。
マングは第1戦アルゼンチンではマシンの不調に苦しんだが(後述)、250t第2戦以降圧倒的な強さを見せ12戦中10勝、7勝目を挙げた250t第9戦イギリスでチャンピオンを確定させた。
350cc
| Arg | Atr | D | I | Y | N | GB | CZ | 得点(順位) | |
| マング | 7 | 2 | 1 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 103(1) |
| バルデ | 2 | R | R | R | 6 | 3 | 3 | 2 | 49(3) |
| ステリンガー | 10 | 9 | 12 | R | 3(26) | ||||
| セルデラ | R | - |
マングは350t第5戦ユーゴスラビア終了時点でランキング1位だったが、1980年350tチャンピオン・エクロード(ビモータ・ヤマハ)が6点差でランキング2位に着けていた。しかし、エクロードは350t第6戦オランダの前、オランダ・ラールテのレースで転倒、足首を骨折し、シーズン後半を欠場※。マングはオランダ、イギリスと連勝しタイトルを手にし、最終戦チェコスロバキアでも優勝した。
※イギリスGPプラクティスを走るが不通過。
○KR250の変更点等
シーズン前公開
下は1981年末に発表されたとされる1982年型KR250でカラーリングは1980年仕様。1980年シーズン後半にバリントンがテスト的に使用(フィンランドGP以降、プラクティスのみ使用)された新型(三角)スイングアーム、排気管とは別体のサイレンサー(KR500のサイレンサーと同型?)が目を引く。

マングのKR250
これは第1戦アルゼンチンの2週間前、デイトナ250tに出場したマングのKR250(リンク)。三角スイングアームだが、上のKR250にある後車軸の前の孔(タイヤ交換時にフックをかける)はない。排気管サイレンサーは上と同じだが、前気筒排気管が長くなった。後気筒排気管が跳ね上がっている。この排気管はチーム独自のものではなく、カワサキのもののようだ。
フェアリングは1980年と同様、クラウザー。テールカウルに貼られたステッカーはダンロップだが、装着されたタイヤはグッドイヤー。
デイトナで使用されたマシンが第1戦アルゼンチンでも使用されたが、タイムが出ず、第2戦以降、旧型スイングアームが使用された。タイヤはダンロップ。
下はマングのKR250エンジン(撮影レース不明)で、シリンダー/シリンダーヘッドはカワサキファクトリーのものではなく、チーム独自のものと思われる。冷却水の流れは1980年のマングのKR250と同様、水ポンプ→前シリンダーヘッド右側→前シリンダーヘッド左→後シリンダーヘッド左→後シリンダーヘッド右→ラジエーター。前気筒排気管に断熱材が巻かれている。

第2戦ドイツ1 第2戦ドイツ2 1の前気筒排気管はカワサキのものと思われるが、2のサイレンサーはチーム独自のもののように見える。PVMホイールのステッカーが貼られているが、この写真の前後ホイールはカンパニョーロ。PVMの4本スポークホイールが用いられることもあった。2の前気筒排気サイレンサーはカワサキのもの。タイヤはダンロップ。
最終戦チェコスロバキア 後気筒排気管後端が跳ね上がっている。排気サイレンサーはカワサキのもの。
バルデのKR250
シーズン前、バルデにも新型(三角)スイングアームのKR250が与えられたが、フランスのテストの段階でGPでの旧型スイングアーム使用が決定された。
シリンダー/シリンダーヘッドは2気筒別体でカワサキのもの。タイヤはダンロップ。
第7戦ベルギー 後気筒排気管がサイレンサー別体でカワサキのものだが、排気管後端は跳ね上がっていない。フェアリングにナックルガードが装着されている。
第8戦サンマリノ 前気筒排気管がサイレンサー別体でカワサキのものと思われるが、マングの第2戦ドイツ1より短い。
最終戦チェコスロバキア 後気筒排気管はサイレンサー一体。
ギニャボディのKR250
タイヤはダンロップ。
第6戦オランダ フェアリング下左前端に吸気ダクトが2つ設けられている。おそらくキャブレター用だろう。
第2戦ドイツ
最終戦チェコスロバキア 後気筒排気管がサイレンサー別体で排気管後端が跳ね上がっているが、チーム独自のものと思われる。前フェンダーもチーム独自のもの。
第7戦ベルギー 後気筒排気管がサイレンサー別体だが、これもチーム独自のもののようだ。排気管後端は跳ね上がっていない。
ステリンガーのKR250
第2戦ドイツ 後気筒サイレンサーは排気管別体でチーム独自のもののようだ。
最終戦チェコスロバキア(予選落ち) 後気筒排気管はサイレンサー別体のカワサキのもので、排気管後端が跳ね上がっている。
マグレガーのKR250
マグレガーはイギリスGPだけでなくマン島TTにもKR250で出場したが、その写真(リンク)からするとバリントンの1980年型KR250のようだ。タイヤはダンロップ。
コンフォルティのKR250
第8戦サンマリノ 前気筒排気サイレンサーはカワサキのもの。バルデの第8戦サンマリノと同長。
ローソンのKR250
アメリカ国内でのレースで使用されたローソンのKR250は後輪駆動がベルトドライブ(ゲイツ製ベルト)に改造されていたが、世界GPではチェーン駆動だった。排気管は後端が跳ね上がっている。また、サイレンサー別体でカワサキもの。フェアリングはクラウザー、タイヤはダンロップ。
○KR350の変更点等
シーズン前公開写真?
スイングアームは1980年以前と同じ。排気管はサイレンサー別体で、サイレンサーはKR250と共通のようだ。前ディスクブレーキはダブル。ただし、この状態のKR350はレースで用いられなかったようで、1981年世界GPを走ったKR350は基本的に排気管は旧型またはチーム独自のもので、前シングルディスクだったと思われる。
マングのKR350
フェアリングはクラウザーで、フェアリング下後端が長いものと短いものがあった。タイヤはダンロップ。
第1戦のみマングのKR350にKR250と同様に新型スイングアームが装着された。
下左は第5戦ユーゴスラビアで撮影されたもので、フェアリング下後端は長い。下右はその一部を拡大したもので、前気筒排気管はサイレンサー一体。

第2戦オーストリア 後気筒サイレンサーは排気管と別体で、これはチーム独自のものと思われる。後気筒排気管後端が跳ね上がっている。フェアリング下後端は長い。
第3戦ドイツ 排気サイレンサーはチーム独自のもの。後気筒排気管が跳ね上がっている。フェアリング下後端は短い。前輪左側に見える円盤は何だろうか?
第6戦オランダ 前気筒排気管に断熱材が巻かれている。フェアリング下後端は短い。
最終戦チェコスロバキア 後気筒排気サイレンサーはチーム独自のもの。排気管後端が跳ね上がっている。フェアリング下後端は短い。
バルデのKR350
タイヤはダンロップ。
第3戦ドイツ
最終戦チェコスロバキア 後気筒排気管はサイレンサー一体。
ステリンガーのKR350
第3戦ドイツ 前気筒排気管はサイレンサー別体のように見える。
(2) アメリカでのKR250
ローソンは250t全5戦、第1戦デイトナから4連勝、2位1回(最終戦)、4勝目のラグナセカでタイトルを確定させた。
デイトナ1 後気筒排気管は1980年以前型。前ディスクブレーキは珍しく左側にあり、フェアリングはクラウザー。タイヤはグッドイヤー。この写真では分らないが、後輪駆動はチェーンではなくベルト(ゲーツ製)。他の4レースではラウドン以外のレースでベルト駆動仕様だった。
デイトナ2 スタート前(ヒートレースか最終レースか不明)のローソンとKR250(No21)。後気筒排気管はサイレンサー別体でサイレンサーはカワサキのものだが、排気管後端は跳ね上がっていない。