RK64

 スズキは、1963年3月から1964シーズン出場を目指し50cc2気筒エンジンの開発を行っていた。RM64X(空冷2気筒、ボア×ストローク:31×33o)である。12月にはRM64Y(空冷?2気筒、32.5×30o)を試作、1964年1月には更に改良を加えたRM64YU(水冷2気筒、32.5×30o)を試作し開発実験を進めた。しかし、1964年の出場はならず、RM64YUをベースにRK65が完成し65年にGPに登場した。

 RS65の構想図に登場する「RK64」はストローク30oであることから、RM64Y、RM64YUのいずれかのマシンの個人的な命名であると思われる。

RT63改
 
1965型のスズキ125cc2気筒は「RT65」として知られているが、社内呼称は「RT63改A」だった。同様に1964年日本GPに出場したマシンはRT64A(水冷)、RT64(空冷)として知られているが、社内呼称はそれぞれ「RT63改A」、「RT63改」である。つまり、公表名「RT64A」も「RT65」も、社内呼称は同じ「RT63改A」である。エンジンの打刻は「T3」(RT63の意)、フレームの打刻は「T4A」(RT64の水冷型の意)だった。
 本来のRT65は1965年日本GPにアンダーソン、越野の手により出場した9段変速のマシンである。

 RS65の構想図に書かれた「RT63」は1963年型のRT63、1964年シーズン後半に開発が進められたRT63改A(または空冷のRT63改)のどちらかを指すのだろう。

詳しくは中野広之さんのHPを参照されたい。

                                                                                                         本文へ