RC211Vのボア×ストローク                                                                                         honda

 RACERS Vol13(2012年1月24日発売予定)でホンダRC211Vが取り上げられる予定となっている。RACERSブログによると、ボア×ストロークは公開されない可能性が高い。
http://racers.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/124racersvol13-.html#more(現在は削除されている)

 しかし、このブログにホンダから提供された資料案が添付されており、そこには2002年型ホンダRC211Vの排気量は989.84ccとある。

 そこで

・ボア、ストロークとも小数点1位(mm)までで設定されている(小数点2位の端数はない)。
・ボアは70〜85mmの範囲、

と仮定し、ボア0.1mm毎にストローク、排気量を計算してみると、

  73.0×47.3mm(ストローク/ボア=0.648)
  78.6×40.8mm(同0.519)

の時に排気量989.84ccになる。
 

 さて、右図はRC211Vエンジンに関するものと思われるホンダの特許出願資料(「エンジンの潤滑装置」2003年12月16日出願)で、ストローク/ボア比は0.65前後に見える。

 また、他の特許出願資料添付図でも同様である。

 したがって、2002年型RC211Vのボア×ストロークは73.0×47.3mmである可能性が高いことになる。

   
〇2012年1月24日に発売されたRACERS Vol13で、「予想に反して」ホンダのデータ提供により2002年型RC211Vのボア×ストロークが記述されている。
  上の推測どおり73.0×47.3mm(プロトタイプ及び2002開幕戦仕様)である。

〇2002年最終仕様については「開示不可」となっているが、次の理由から73.0×47.3mmと考える。

・2002年最終仕様の排気量は2002年開幕戦仕様と同様に989.84ccになっているが、この排気量になるのは、事実上、上記2種類のボア×ストローク。仮にボア×ストロークを変更したとしても、変更後の排気量が小数点2位まで同じになる確率は非常に低い。
・84〜87頁にあるように、2002年シーズン中にエンジントラブルが続出していたこと、中・低速のドライバビリティ向上の観点でロングストロークエンジンンの投入も検討していたことから、シーズン途中にボアを5.6mmも広げた仕様を投入したとは思えない。
・ストロークを6.5mm短縮するとエンジン高は20mm以上低くなるはずだが、エンジン外観では変化は見当たらない。
・そもそも10年前のレーシングエンジン、つまり過去のエンジンンのボア×ストロークをホンダが公開しない技術的な理由がよく分らない。考えられるのは「秘密があるからホンダはスゴイという印象を与えたい営業上の理由」だけである。
   
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