ニュウマチックバルブ

 ライディングスポーツ誌ではニューマチックバルブスプリングを「ニュウマチックバルブ」、「ニゥマチックバルブ」と表記している。これについて
 ニューマチックなのか、ニュウマチックなのか、ニゥマチックなのか、編集部内で議論した結果、ニューだとNEWの意味で取られる可能性があり、ニゥは日本にあまりない表記だということで、ニュウマチックという表記に統一します。
 と理由が書かれている(一部、誤字等を修正済)。NEWとの違いを明確にすべきというなら、
・roadとlord、load    ・valveとbulb    ・cordとcode
 も区別すべきである。また、「ニュー」を「NEW」だと誤解する人が「マチック」をどう理解するのだろうか。そのような誤解をする人はニュウマチックでもニューマチックでもそれが何かを理解することはできない。pneumaticをニューマチックと表記するのは工業界では定着している。自動車用語としても「ハイドロニューマチック」というように数十年前から用いられている言葉であり、既に定着している用語を異なる表記をするのは無知がなせる業である。

 同誌はそんなことよりニューマチックバルブスプリングがいったい何かを理解すべきだろう。以下、同誌に掲載された某氏の2006年型スズキGSV-Rについての記事である。
 〜スズキが選択したのが、吸排気バルブ作動の開閉に、スプリングではなく圧縮空気を用いる、ニューマチック・バルブ・システムだと考えられる。これによって、カムシャフトがバルブスプリングの反力に打ち勝って回るときの力とフリクションが不要となることで〜

 青字の記述からすると、某氏の考えは次の想定1・想定2のどちらかだろう。それにしても「作動の開閉」、「フリクションが不要」という日本語はなんとかならないのだろうか。その日本語のレベルが支離滅裂なニューマチックバルブの理解に繋がっているのかもしれない。

想定1
・ニューマチック・バルブ・システムは、バルブを閉める時のみ圧縮空気が働くもの。
・「開閉」は「開く、閉じる」ではなく「閉じる」のみを指す。
・バルブを開ける時、スプリングは不要である。
想定2
・ニューマチック・バルブ・システムは、カムシャフトを使わず圧縮空気のみでバルブを開け閉めするもの。
その他某氏の考え
・フリクションは力ではない。
・エアスプリングはスプリングではない。
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