0W74(FZR750)   YAMAHA

 
 1985年鈴鹿8時間耐久レースを走ったヤマハ0W74(FZR750)については、RACERS Vol09(三栄書房2011)が詳しいのでご一読されたい。本頁はその補足的な記事と思っていただければ幸いである。

1 1985年鈴鹿8時間耐久レース

 ヤマハからエントリーしたのはゼッケン21:ケニー・ロバーツ/平忠彦、25:上野真一/河崎裕之で、下表の4台の0W74が鈴鹿に持ち込まれた。ゼッケンの「T」はプラクティス時のみ。

ゼッケン ライダー フレーム補強パッチ スイングアーム補強パッチ レース使用 タイヤ
21 ケニー・ロバーツ/
平忠彦
 無  有(フリープラクティスでは無) - ミシュラン
21T  有  無
25 上野真一/
河崎裕之
 有  有 ダンロップ
25T  有  無 -
 
 フレームはスイングアームピボット部上部の補強パッチの有無で2種類に分けられる。また、スイングアームも後車軸の前のパッチの有無で2種類に分けられる。

 当初、パッチ無のフレームが製作された後、パッチが追加されたようだ。ゼッケン21にはフレームパッチがないが、当初のパッチ無とは別の改良型と思われる。
21:おそらく木曜日のフリープラクティス時。フレームパッチ無、スイングアームパッチ無、前後17インチホイール。 21:金〜土のプラクティス時。フレームパッチ無で、スイングアームはパッチ有に変更、前後17インチホイール。
21T:レース中。フレームパッチ有、スイングアームパッチ無、前17/後18インチホイール。 25:レース中。フレームパッチ有、スイングアー
ムパッチ有、前17/後18インチホイール
25T:フレームパッチ有、スイングアームパッチ無。

 なお、ミシュランは前17インチと後17/18インチタイヤを供給しており、ゼッケン21は前後17インチ仕様、ゼッケン21Tは前17/後18インチ仕様としてセッティングしていたようだ。

2 ボルドール24時間 

 フランスのヤマハ輸入元ソノート・ヤマハからゼッケン5でクリスチャン・サロン、ティエリー・エスピ、ジャック・コルヌがエントリー。持ち込まれたのは右の2台。

 電装品の一部がフレームの左バックボーンの後上部に移設されている。
レース使用マシン:レース中。フレームパッチ無、スイングアームパッチ無。 プラクティスのみ:フレームパッチ有、スイングアームパッチ無。
3 シーズン後公開

 袋井テストコースでボルドール24時間仕様と全日本選手権仕様のマシンの各1台が展示され、前者については試乗会、雑誌によるスタジオ写真撮影も行われた。

(1)ボルドール24時間仕様

 フレームパッチ無、スイングアームパッチ無で、移設された電装品(中上)、新設されたブレーキスイッチ(右上の矢印)等の外観からボルドール24時間決勝を走ったマシンのようだ。燃料タンクの溶接跡が他のマシンより多い(中下の矢印)。
 フレーム番号は0W74-B-506のようだが、この頃のヤマハマシンと異なり、番号がフレームに直接打刻されず、フレームに貼られたプレートに打刻されている(右下)。
 なお、本来はミシュランタイヤだが、展示用に前17/後18インチのダンロップタイヤを装着している。
(2)全日本選手権仕様

 フレームパッチ有(右)、スイングアームパッチ無で、前17/後18インチダンロップタイヤ。(1)のマシンと燃料タンクの溶接跡が異なる。

4 1986年ルマン24時間


 5月12-13日に行われたルマン24時間に、サロン、ピエール・エチエンヌ・サマン、リシャール・ウバンがソノート・ヤマハから出場。すでに1986年型マシン(YZF750)の開発が進められており、エントリーのマシン名はYZF-750だが、中味は1985年型0W74(FZR750)。スイングアームはパッチ無。フレームはパッチ無のように見える。

 

5 現存するマシン


 0W74-E-502/0W74-B-504

 フレームパッチ無(中)、スイングアームパッチ無。
 2と同様、電装品の一部が移設されて いる(右)。また、中写真で右下にリング状のものがフレームに取り付けられているが、24時間レースで必要なブレーキランプのスイッチを装着するためのもの(3-(1)と同様)。

 なぜか、テールカウルにTECH21ではなくYAMAHAと書かれている。

6 その他
 
 以下は想像に過ぎない。

 1985年鈴鹿8時間耐久に持ち込まれたマシンは右の4台。

 ボルドール24時間に向けて、新たにマシンを製作することとなり、そのマシンにはフレーム番号505、506を割り当てる予定で、カルネもこのフレーム番号で作成した。

ゼッケン フレーム番号(推定)
21 0W74-B-504
21T 0W74-B-503
25 0W74-B-501
25T 0W74-B-502
 
 しかし、505、506は製作されず、ボルドール24時間のために既存のマシンを改修することになった。504と502が耐久仕様に改修され、カルネに合わせたフレーム番号のプレートを(本来のフレーム番号の上に)貼った上でフランスに送られ、504(変更後506)がレースを走った。レース後、504(変更後506)は日本に送り返され雑誌等に公開。そして、外装を8耐仕様に戻し、フレーム番号プレートを外し本来のフレーム番号504となったマシンが2005年に公開された。

                                          MENU