1979年イギリスGPと「海外の話題」

 1979年500ccイギリスGPは2つの点でGP500の歴史に名を残している。一つは激しいレースと最後のクライマックスによって、そしてホンダのGPカムバックによってである。後者については、あえてここで書くまでもないだろう。

 今は、雑誌より早くテレビで、テレビより早くインターネットでGPレースを見ることができるが、1979年当時は夢のまた夢だった。テレビで2輪のレースを見ることなどほとんどなかった。しかし、1979年イギリスGPはごく短時間だけだが、雑誌より早くテレビで見ることができた。

 NHKが毎週土曜日午後7時20分から10分間、「海外の話題」という番組を放送しており、その中でイギリスGPの模様を1〜2分放送した(もちろん、録画だが)。ホンダNR500に乗るミック・グラントの転倒、そして歴史に残るゴールシーンも記憶に残っている。
 このレースが「海外の話題」で取り上げられたことが、このレースの歴史的な意味を表しているといったら言い過ぎだろうか。

 この番組は時々、4輪、2輪の競技の模様を放送しており、当時としては貴重な存在だった。確かエンデューロを紹介したときだったと記憶しているが、アナウンサーの秋山士郎氏が「このような暴走族のようなことを放送するとはけしからんという意見をいただきましたが、欧米ではこのようなスポーツが人気があるということをご理解ください」という趣旨のことを言っていたことを思い出す。

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