XR16-XR29(TR100-RJ100) SUZUKI
1970年代のスズキの100cc、125ccのファクトリーマシンの存在を覚えている人は少ないだろう。日本のメーカーにとって重要な市場であった東南アジアでのレースのために開発され、日本ではあまり走らなかったのである。
既に2ストロークエンジンは水冷化が必須の時代になっており、1977年には水冷のXR24(RJ125)が登場した。下は1978年インドネシアGP時の写真である。
シリンダーはほぼ水平でクランクシャフト右端でクラッチギアにつながるが、クランクシャフト右端のギアで回転計ケーブル、クランクケース上の水ポンプを駆動する。点火用マグネットは、変速機上にあり、クラッチギアで駆動されているようだ。 |
左は1979年日本GPで山名久が乗ったXR29である。 主要諸元は次のとおり。 |
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気筒数:1 ボア×ストローク:52×47o 排気量:99.8cc 圧縮比:8.1 |
吸気:ロータリーディスクバルブ キャブレター:ミクニVM32SC 最高出力:25PS/11500rpm |
下は現存するマシン。シリンダーは約10度前傾になっているが、他の機構はXR24と変化していない。シリンダーの部品番号は11210XR2904、シリンダーヘッドの部品番号は11111XR2900。このマシンが事実上の最終型と思われる。
これらのマシンについては、多くの不明点がある。例えば100ccマシンと125ccマシンの関係である。単にレギュレーションの変更により新型マシンの排気量を変更したのか、同一機種名でも100ccと125cc版が存在したのか。そして、肝心の東南アジアでの詳しい戦績がわからないことが残念である。