3RC164

  1964年イタリアGPで登場した6気筒の名称は「3RC164」とされることが多いが、ホンダの技術者だった八木静夫さんが書かれた「世界二輪グランプリレースに出場したホンダ レース用エンジンの開発史」(1994 HONDA R&D Technical Review)には3RC164については書かれてはいない。またRC164は4気筒シリーズの名称であり、6気筒の名称が「3RC164」というのは常識ではおかしい。これは機密保持のため、あるいはカルネ取得の手間を省くため6気筒マシンにRC164シリーズの名称を与えたともいわれている。

 しかし、名称を公表するのは実車が公開された後であり公表名を3RC164にする意味は全くない。社内呼称を3RC164にし6気筒であることが表に漏れる確率を減らしたとしても、実車登場後に3RC164という名称を公表する意味はない。 

 カルネ取得のためにはエンジン、フレーム打刻の番号が必要である。
・6気筒に「3RC164」という打刻を施したのだろうか?そうだとすると「3RC164」という4気筒マシンが計画されカルネを先行取得していたのだろうか? 
・打刻は「RC164」または「2RC164」であり、公表名のみ「3RC164」としたのだろうか?当時の記事を見てもイタリアGP時点で公表名はなく、公表名のみ「3RC164」とする必要があるだろうか?

 このように考えると「3RC164」はカルネ取得等のための名称とするのが妥当なように思う。

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