ATAC

 Auto-controlled Torque Amplification Chamberの略。排気管のエンジン側に副室を設け、排気管と副室の間の連絡口を回転数によって開閉する。
 左写真の「HONDA」の文字のあるカバーの右に見えるのが、連絡口開閉バルブを作動させるガバナーで、その上にバルブにつながるレバーがある。写真中央に写っている「X」の浮き彫りがある箱がATACの副室である(写真はシーズン後に公開されたマシンのもの)。

 1986年終わりからホンダの市販車にはATACに代わりRCバルブが使用されるようになった。また、ファクトリーマシンも1987年からそうなった。あるホンダ関係者が「別段RCバルブの方が優れているというわけではない。ATACは研究をやり尽くしてしまったので、RCバルブをトライすることにした」というようなことをある雑誌で言っていたが、言い訳もここまでくると読んだ方が恥ずかしくなる。



カーボンファイバー製後ディスクローター

 どんなものであっても「世界初」が何かを突き止めるのは難しいが、カーボンファイバー製ディスクローターを初めて使用したのは少なくともホンダではない。1981年、ヤマハが全日本選手権500ccクラスで使用している。
 今となってはカーボンファイバー製後ディスクローターは見向きもされないが。

                                                                                                           MENU     その1へ